【共通テスト対策にも!】高校「情報Ⅰ」教科書9選比較一覧【おすすめ】

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こんにちは、ときか姉です♪

「令和7年度の共通テスト『情報Ⅰ』に備えたい」

「『情報Ⅰ』の教科書はたくさんあるけどどれを買えばいいの?」

「『数学』みたいに含まれている内容は大体同じなの?」

こういった悩みや疑問をお持ちの方は多いと思います。

本記事では、令和7年度共通テスト対策を視野に入れて、高校「情報Ⅰ」の教科書の内容と構成を深掘りし、9冊の教科書をピックアップ徹底比較します。

はじめに(基準となる情報)

まず「情報Ⅰ」とは何かと、そこにどのような内容が含まれるのかについて知らないと始まりません。

文部科学省と大学入試センターに掲載されている情報を見てみましょう。

1. 文部科学省:高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材

以下のような資料が文部科学省HPで公開されています。

高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編):文部科学省

これによると「情報Ⅰ」は必修で「情報Ⅱ」が選択となっており、「情報Ⅰ」において学ぶべき内容は以下の4つからなるようです。

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと情報デザイン
  3. コンピュータとプログラミング
  4. 情報通信ネットワークとデータの活用

それぞれに含まれる詳細な内容については後述します。

2. 大学入試センター:令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等

内容もそうですが、共通テスト対策を行う上では、具体的に求められる学習到達度も気になるところです。

これについては、独立行政法人大学入試センターの「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等」が参考になります。

以下のリンクから各教科の概要と試作問題が参照できます。

一番下に「情報」という項目があり、その「概要」と「試作問題」を参照すると問題の雰囲気を掴むことができます。

令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等 | 独立行政法人 大学入試センター
大学入学共通テストの概要、最新試験情報、英語リスニング、共通テスト参加大学情報、共通テストQ&A、検定料等の返還請求などに関する情報を掲載しています。

各社が出版している教科書も、上述の「試作問題及び試作問題の概要等」に狙いを定めてその内容を含めるようなものとなっています。

しかし、「情報Ⅰ」は他の教科に比べて比較的歴史が浅く、特に数学などと比べるとまだ指導要領が固まっていない側面もあるため、かなり幅広い内容になってしまっている印象です。社会人の新人研修の内容のようだと表現する人もいます。

そのため、他教科に比べると必然的に出版社ごと教科書ごとの内容のばらつきも顕著です。

しっかりした知識習得と受験対策のためには、各出版社の教科書の特性を把握し、それに基づいた学習計画を立てて実施していく必要があります。

本記事では、「情報Ⅰ」の教科書の内容を概説し、教科書ごとの特徴と比較に関して記します。

「情報Ⅰ」教科書の内容(共通)

前項からの繰り返しになりますが、文部科学省の「高等学校情報科『情報Ⅰ』教員研修用教材(本編)」においては、以下の4つのジャンルに分類されています。

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと情報デザイン
  3. コンピュータとプログラミング
  4. 情報通信ネットワークとデータの活用

「情報Ⅰ」教科書の構成を網羅的に見てみると、出版社を問わず共通して上記の3および4をさらに分割している印象です。具体的には以下のような形です。

  • 3. コンピュータとプログラミング → 情報とコンピュータ + アルゴリズムとプログラミング
  • 4. 情報通信ネットワークとデータの活用 → データの活用(モデルとシミュレーション含む) + 情報通信とネットワーク

整理すると、以下のように6つに分けて記述されていると言い換えていいのかも知れません。

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと情報デザイン
  3. 情報とコンピュータ
  4. アルゴリズムとプログラミング
  5. データの活用(モデルとシミュレーション含む)
  6. 情報通信とネットワーク

本記事ではこれ以降、この6つの分類にしたがって記していきます。

1. 情報社会の問題解決

多くの教科書では「情報とはなにか?」から始まります。「序章」として導入されているケースが多いです。

モノとの違いやデータについてのものが多く、インターネットの一般的な使い方などの記述も見られます。

現代社会では重要な、情報社会の責任について強調されているケース(匿名性、発信者の責任、など)も多いです。

「導入」からやや進み「問題解決」になるともう少し深掘りされます。

  • 問題の明確化
    :要件、PDCAなど
  • 情報収集・整理
    :情報の扱い・管理など
  • 情報の分析・その手法
    :データの可視化手法など
  • 情報社会の法規と制度
    :情報の保護・プライバシー・個人情報・知的財産権と産業財産権・著作権など
  • セキュリティと対策、暗号化
    :この内容は「6. 情報通信とネットワーク」にまわしている教科書もあります。

2. コミュニケーションと情報デザイン

前者の「コミュニケーション」に関しては、メディアとは何かにはじまり、メディアリテラシーの重要性へと続きます。

コミュニケーションの形態やそのツールの紹介に関する記述が多いです。電子メールなどの使い方をここで記述しているものもありますが、教科書によっては「6. 情報通信とネットワーク」に回していたり、巻末の参考資料に掲載するにとどめているものもあります。

後者の「情報デザイン」では、情報伝達の重要性を説き、そのためのユニバーサルデザインを含め、プレゼン資料作成、表現とレイアウトの工夫、コンテンツ設計、データの視覚化などを含めた記述が見られます。

3. 情報とコンピュータ

ここでは主に、「情報表現形式」が解説されます。

デジタルとアナログ、2進数と情報量、数値、16進数、文字・音・画像データのデジタル表現、動画の表現とファイル形式、データ圧縮、ハードウェアとソフトウェアなどです。

4. アルゴリズムとプログラム

前者の「アルゴリズム」においては、フローチャート、アルゴリズムの基本構造(順次・選択・繰り返し・構造化プログラミング)などです。二分探索などの具体的なアルゴリズムに関する記載も見られます。

後者のプログラミングでは、具体的な実装方法などが解説されています。

具体的には、「変数、配列とリスト、関数」などです。一部教科書では「辞書」についての記述も見られました。

教科書ごとに配分が最も大きく異なっているのはこの箇所のような印象を受けました。

5. データの活用(モデルとシミュレーション含む)

データの収集・分析に関してです。散布図や相関係数などの解説も見られます。時折、箱ひげ図や四分位数などの記載もありました。教科書によっては二項分布や正規分布に関する記載もあるようです。統計検定を扱うかどうかも教科書によって分かれるようです。

「モデル化」に関しては、その目的と種類についてです。

種類というのは、物理的モデル、図的モデル、数式モデル、あるいは動的モデルor静的モデル、確定的モデル確率的モデル、などの分類です。

後者のシミュレーションも教科書によって異なるようです。予測や待ち行列などのシミュレーションが見られる場合もあります。

6. 情報通信とネットワーク

「情報通信」ではそのしくみについての記述になります。

IPアドレスやWWW、Webサイト、電子メール、TCP/IPなどのプロトコルのように、インターネットのしくみについての解説です。

他に、POSシステム、ネットショッピング、電子決済・健康管理・オンライン学習・GPS・地震速報など、身の回りのサービスについての記載も見られます。この章で暗号技術やデジタル署名を解説している教科書もあります。

補足資料(巻末資料など)

上記6つの内容に触れたあとに、往々にして巻末資料として以下のようなものが掲載されています。

  • 単位の接頭辞
  • 著作権と個人情報保護法
  • ワープロソフト(Word)の使い方
  • 表計算ソフト(Excel)の使い方
  • 電子メールの作法・マナー
  • 用語集

教科書によっては他に、以下のようなものも見られました。

  • 中学校の復習まとめ
  • プログラミング構文(Python, Javascript, Swiftなど)
  • レポートの書き方
  • 変数のデータ型一覧
  • HTMLタグ
  • ファイル形式の種類と特徴
  • 文字の基礎知識(フォントなど)
  • キーボード配列

面白いものとしては以下のようなものです。

  • 偉人伝
  • 問題解決のツール

最後は用語集や索引です。

「情報Ⅰ」教科書9選

以下に教科書9冊をピックアップし、その特徴を記します。

1. 実教出版「図説情報Ⅰ」萩谷 昌己

「情報と情報社会」について、「序章」という形で簡単に触れたあと、前述項目の詳細に入ります。

「デジタル情報」のところが詳しいようです。「アルゴリズム」もスクラッチですが、探索などやや詳細に記述されています。

「モデル化」は状態遷移図まで含まれていますが、「シミュレーション」はさらっとだけでした。

「データ分析」もさらっとですが、演習ではデータを読み込んで散布図を描画する問題などがありました。

「実習」という項目が大分分量が多かったです。

デザインなどは普通ですが、全体的には読みやすく、練習問題や独習しやすさの工夫がなされています。

2. 実教出版「高校情報Ⅰ Python/Javascript」

プログラミングについて詳細な教科書で、Python版とJavascript版があります。

Python版はコチラ↓です。

Javascript版はコチラ↓です。

以下はPython版について記しますが、ほぼ同様の内容です。

節が細分化されているのと、その構成と配分がよく全体的に読みやすいです。

図のデザインが良いのもポイントが高いです。

「プレゼンテーション」に関する項目が他の教科書よりも詳しいです。例えば、「論文の構成」や「プレゼンテーションの評価」なども含まれています。「Webサイトの設計」などの内容が特徴的です。

「HTML/CSS」に関する記載もあります。

「統計量とデータの尺度」が詳しめで検定まで含まれています。

さらに、時系列分析と回帰分析、区間推定とクロス集計に関してと高度な内容が含まれています。

「プログラミング」に関しても「クラス」の解説が詳細でした。

そして何より、tkinterによるGUI設計と、辞書に関して二次元辞書まで扱っていたのには驚きました。

「シミュレーション」も詳細です。例題として人口予測、放物線運動、制御プログラミングに及びます。

章末問題の分量はやや少なめですので、自習の際には別途練習問題を入手する必要があるでしょう。

総合問題のプログラミングの問題が良くできていて、これをこなせば大分力がつくと思います。

各章のあたまに人物紹介があるのも飽きさせない工夫として良いと思います。

3. 数研出版「高等学校情報Ⅰ」坂村 健

「情報社会における法規・制度」に関する内容が詳しいです。関連法律や個人情報の問題、知的財産などについて詳しく触れられています。

全般的に情報「社会」としての内容が充実しています。「情報技術の発展の光と影」という章もあります。社会に応用されている技術に関してだけでなく、情報社会の問題点などにも触れられています。

「情報デザイン」においては、情報の可視化は詳しめで、プレゼンテーションなどはあっさりめです。データ圧縮の節が充実しているように思えました。

「コンピュータとアルゴリズム」もあっさりめです。

「モデル化とシミュレーション」は詳しめで、待ち行列も含まれています。

「データ分析」はあっさりめで統計検定は含まれていませんでした。

図が見やすく、付属情報が充実しています。

4. 数研出版「情報Ⅰ NEXT」

イラストが豊富です。

内容については可もなく不可もない印象です。決して悪い意味ではなく、偏りなく満遍なく必要最小限の内容が取り入れられているようなので、最初の一冊としては良いのかも知れません。

5. 第一学習社「高等学校情報Ⅰ」

AIに関する記述が詳しめです。Society5.0についての記述もあります。

「実習」が独特で面白いものが多かったです。仮想プロジェクト(?)として「迷い猫をさがそう」というのがあります。

「情報デザイン」が非常にくわしくかかれています。

書体とフォント、文字と図版のレイアウトとその視覚効果にまで触れられています。

「モデル化とシミュレーション」はあっさりめです。

「アルゴリズム」もあっさりめですが、章末問題がユニークで、トリックアートやアニメーション、家具配置シミュレーションを扱うものがあります。

学ぶ側の学生にとっては楽しいでしょうけど教える側の教員泣かせの教科書かもしれません。

「統計検定」などは含まれていません。

章末のまとめがすごくいいです。重要用語とともに一目で復習できるようになっています。

6. 東京書籍「ー新編ー 情報Ⅰ」

一コママンガが多用されています。

「私の問題解決」というコラム形式のちょっとしたインタビューなども添えられていて、現実社会とのつながりを意識した工夫がなされています。

「プログラミングとシミュレーション」はあっさりめです。

最終第五章の「活動して提案する」がユニークです。そこまでに学んだ内容を実践・実装する形の実習内容となっています。

その分復習的な章末問題はあっさりめです。ただ、まとめは見やすくよいです。QRコードから重要用語も確認できるようです。

章末資料がたくさんあり、補足・付属情報が豊富です。アラブの春やクラウドファンディングにいたるまで、情報が実社会へ及ぼす影響やその関連トピックがふんだんに盛り込まれています。

7. 東京書籍「情報Ⅰ Step Forward!」

前書と同じ東京書籍ですが前書「新編」を継承した内容になっています。「新編」においてプログラミングは「第三章コンピュータを活用する」の一節に過ぎませんでしたが、本書では「第三章プログラミング」としてボリュームアップされています。前書と同様、第五章の実習も健在です。プログラミングを深く学びつつ、社会実装を含めた実習に取り組みたい人にはおすすめです。

巻末資料がユニークで、問題解決のツール(マンダラート、フィッシュボーン図、ロジックツリー、ガントチャート、PERT図、ルーブリック)に関する記述がありました。

8. 日本文教出版「情報Ⅰ」黒上晴夫・堀田龍也・村井純 編

最初に中学校までの内容をチェックリスト付きで復習ができるようになっています。

やや文字がみづらい印象も受けましたが、適宜マンガが挿入されていて理解を助けてくれる工夫がなされています。教科書というより社内研修資料のような印象をうけました。

ソーシャルメディアの活用法が詳しく書かれています。

登場人物がなぜか新人社員っぽいです。

章末問題自体はあっさりめですが、各章の終わりに「技法」という項目があり、学んだ内容を具体的に実践するための方法が詳説されています。ポスターやWebサイト制作などの章末実習もあります。

もう社内研修資料ですねこれは。笑

9. 日本文教出版「情報Ⅰ 図解と実習(図解編)」黒上晴夫・堀田龍也・村井純 編

前書と同じ日本文教出版ですが、雰囲気が全く異なる教科書です。

登場人物が設定されていて、各章の冒頭に2ページ程度のマンガになっています。

前書のような実践的なまとめはなくなり、章末問題が充実しています。

「図解」というだけに、前書よりも、フォント変更をはじめとして全体的にかなり見やすくなっています。

「情報デザイン」に関する内容が充実しています。

「モデルとシミュレーション」はあっさりめです。

まとめ

「デジタル情報」の箇所は教科書ごとのばらつきが少ない印象を受けました。

大学でいうところの「情報理論」寄りの内容なのでスタンダードが固まっているからだと思います。

「アルゴリズム」も比較的ばらつきが少ないように思えましたが、一方の「プログラミングとシミュレーション」は教科書によってボリュームがかなり異なる印象です。

「データ分析」は統計検定まで含まれるかどうかが二分化されているようです。

他の違いとしては、実践的な内容が含まれているかどうかかと思います。実務のデータサイエンスが意識されているからだと推測しています。

教科書によっては、読んでいて飽きない工夫として、コーヒーブレイク的に用語解説やその由来・最新技術紹介や偉人伝などが含まれていたりしますので、楽しく学べるかどうかで決めても良いかもしれません。

購入を検討する際には、手に取ってみて、以下のような点から決めると良いと思います。

  • 文章の読みやすさ
  • 図のみやすさ
  • デザイン性
  • まとめのみやすさ
  • 付属情報の充実さ
  • 練習問題や独習しやすさの工夫

もし私が一冊だけ選ぶとしたら・・・悩ましいところですが「2. 実教出版 高校情報Ⅰ Python」かも知れません↓

同書のJavascript版はコチラ↓です。

以上となります。いかがでしたでしょうか?

本記事がみなさんの「情報Ⅰ」教科書選びの一助になれば幸いです。

受験生のみなさん、頑張ってくださいね♪

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