みなさん、こんにちは♪ときか姉です。
前回「Pythonと機械学習と私@書籍紹介その1」を書きました。
今日はその続編でPython機械学習関連書籍8冊の書評を新たに書きました。もしよろしければご覧ください♪
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1. 詳解ディープラーニング -TensorFlow/Kerasによる時系列データ処理-
この本が出版された当初は時系列解析を含んだDeepLearningの本は少なかったと思います。Numpyの解説からNeural Networkの簡単な数理、最後はLSTMのようなRecurrent Neural Networkの解説という流れです。Kerasを用いた学習の仕方や可視化は丁寧にかかれています。深層学習をPython実装する際にKerasが最適解かどうかは意見がわかれますが、手軽にできるのは確かですので初めてPythonでDeep Learningを試してみたいという人にはいいかも知れません。Tensorflowの解説もあります。
2. Python実践データ加工/可視化100本ノック
前回に紹介した「Python実践データ分析100本ノック」の続編です。
冒頭に欠損値の扱いがあるぐらいですので、実データを扱った実務経験がある方でないと読みづらいかもしれませんが、実務経験がある方にはとても良い本です。テキストと数値が混在しているようなデータの扱いに詳しいです。
棒グラフ・折れ線グラフ・ヒートマップ・ジョイントプロット・ペアプロットまで順番に身につけることができます。また、金融時系列を扱ったりする際に、日付や時間の処理が結構やっかいだったりするのですが、そのあたりも詳しく書かれています。自然言語処理編では、単語の出現頻度によって大きさを変えた単語表示を行うWord cloudを用いた可視化も扱っています。画像データでは輝度ヒストグラムなどであっさりめ。音データでは、スペクトログラム表示まで。機械学習向けとしては、はずれ値検出とスケーリングです。個人的には、最終章のWebスクレイピングとJSON形式、動画から音声の抽出、Word, PowerPoint, PDFの読み込みが参考になりました。
3. 将棋AIで学ぶディープラーニング
中級者以上で、PythonでボードゲームAIをやってみたいという人にはおすすめです。ミニマックス法、モンテカルロ法、マルチアームドバンディッド問題までの解説とディープラーニングの基礎に関して記述がありますが、全くの初心者が理解できる解説かというとそうではありません。ある程度の前提知識が必要となっています。方策ネットワークの設計とその学習をどのように行うのかを知りたい中級者向けです。実際に盤面を作成して、どのように学習を行うのかという即実践向けの知識を得たいという人にはおすすめです。
4. Pythonコンピュータ・シミュレーション入門 人文・自然・社会科学の数理モデル
中級者以上向け。桁落ち、連立一次元方程式、常微分方程式、乱数といった、実世界の解析に必要な知識を得ることができます。かつ、Matplotlibによるアニメーションの解説が詳しく、地球儀の回転まで含めた動的な可視化まで紹介されています。あと、物理演算可視化としてVPythonの使い方が記されています。(VPythonはもっと評価されても良いライブラリだと個人的には思っています。)
その後も確率微分方程式(ウィーナー過程)、ブラウン運動、時系列解析(カルマンフィルタ、ARIMAモデル)などをPython実装できるようになります。
その後の応用編が圧巻です。感染症モデル、フラクタル、カオス、線形計画法、MCMC、グラフ理論(スケールフリーネットワーク)、遺伝的アルゴリズム、マルチエージェントシミュレーション、強化学習に至るまで全て含まれています。購入時には、相場より値段が高いなと思いましたがその価値が十分にある本です。それぞれの説明がわかりやすい訳ではないため初心者にはあまりおすすめできませんが、中級者以上で、Pythonをシミュレーション研究に用いているあるいはこれから用いたいという方にはぜひおすすめです。
5. Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書
超初心者向け。とはいえ当初は冒頭にジェネレータやログなどの解説があって戸惑いました。その後も時間データの扱いやPickleモジュールなど、実務で必要なライブラリの解説が続きます。その後は、行列や対数表示、箱ひげ図、正規分布など、初歩的な内容をものすごく丁寧に解説してくれています。その後Matplotlibによる可視化とPandasの解説と続きます。
最後はSupport Vector Machineの詳細な例とスクレイピング+言語処理、ちょこっと画像処理です。
全体を通してなんでこういう構成にしたんだろ???という気は若干しました。
中級者以上には、Webで探せる情報の域を出ていないのでおすすめできませんが初心者の方にはいいと思います。
6. Pythonで作って学べるゲームのアルゴリズム入門
ゲーム作成の本です。UI部分は基本的にtkinterです。じゃんけんゲーム、◯✗ゲーム、神経衰弱、オセロの作成を学べます。思考ルーチンとしてはモンテカルロ法だけなので、がっつりゲームAIを学びたい方には若干物足りないかも知れません。ただ、UI部分の設計に対する知識を体系的に得たいという方にはおすすめです。
7. PythonでExcel, メール, Webを自動化
個人的にはすごく楽しみながら読めました。というのも、ExcelのマクロでもできそうなことをあえてPythonでやるというPython愛を感じたからです。最後の方にSeleniumを用いたWeb操作に関して少し書かれています。上位版として「退屈なことはPythonにやらせよう」(英語版はWebで無料公開)がありますので万人におすすめできるかどうかは難しいところです。
8. 新・明解Pythonで学ぶアルゴリズムとデータ構造
柴田先生が書かれた本ですからもう解説いらないぐらいの名著です。アルゴリズム+PythonといえばMITの教科書の和訳もありますが、個人的にはこちらが好みです。特に配色がなんか大好きです。
まとめ
個人的には、以下3点が特におすすめです。
実務向け:Python実践データ加工/可視化100本ノック
研究向け:Pythonコンピュータ・シミュレーション入門 人文・自然・社会科学の数理モデル
競プロ向け:新・明解Pythonで学ぶアルゴリズムとデータ構造
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